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  • 執筆者の写真woman syodo

書道のはな*みち スカウトキャラバン

更新日:2021年8月12日

今回は郁子のお部屋特別編。

業界初!書道家のオーディション「書道のはな*みち スカウトキャラバン」についてお届けいたします。スカウトキャラバンを主催されているのは第1回郁子のお部屋で対談させていただいた高宮華子先生。先生のパッションと書道界の未来への想いをぜひお読みください。

 
スカウトキャラバンの誕生のきっかけ

遠藤郁子(以下 郁子):いよいよ第2回スカウトキャラバン大阪の開催が来月になりましたね。華子先生は「頑張っている書道家さんたちが正当に評価される世の中に」というお考えで様々な活動されておられますが、このスカウトキャラバン誕生のきっかけを教えてください。


高宮華子(以下 華子):実は、このスカウトキャラバンについては「降りてきた」という感覚が一番近いかもしれません。昨年(2019年)の7月に第1回スカウトキャラバンを開催したのですが、「降りてきた」のは約一ヶ月前のことです。まず1回目をやってみよう!と通常の書道のはな*みちのイベント運営のようにスタッフと動き出しました。「頑張っている書道家さんたちが正当に評価される場を作りたい」といつも考えているからこそ、出てきたアイディアだと思っています。


郁子:常に考えて、考えていたからこそアイディアが「降りてきた」のですね!


華子:作品創りと一緒かもしれませんね。いつもいつも作品のことを思っていて、実際に書くからこそ、コレという瞬間が生まれますよね。単なる思いつきではなく、ひらめきはいつも思っているからこそですね。


郁子:「ひらめきはいつも思っているから」華子語録に追加です♡

華子:スカウトキャラバン、つまりオーディションをすることで、ご自身が磨かれることが必ずあると思っています。また、優劣をつけたり、エンターテイメントをしたいわけではなく、同じ書道家さんでも色々な方がいるのだ、ということも知っていただくきっかけとなれば良いと思ってます。書道家さん同士は、お互いに他の書道家さんのことをあまり知らないので。


郁子:本当におっしゃるとおり!書道の世界は、なかなか横の繋がりが持てない環境なので、所属団体が違うと全く交流がない状態ですものね。


華子:おかげさまで私はたくさんの書道家さんと出会えることができました。全然違うスタイルの活動で、こんな素敵な方がいらっしゃるんだ、と私自身が感動し、感銘を受けています。残念ながら、所属団体の枠から出られない方、師匠から離れられない方もいらっしゃるのも事実です。

私が創っていきたい世界は、与党と野党が仲良くするようなものなので、従来ではありえないことだと思ってます。令和という新しい時代になり、今回のコロナの様な少し前では想像もできない世の中になったことで、今まで考えていたことを実現するタイミングなのだなと思いました。


第1回スカウトキャラバンについて

郁子:第1回スカウトキャラバンの出場者は9名。当日のご様子について、振り返っていただけますでしょうか。


華子:当初は9名もの先生方が参加してくださるとは思っていなかったです。先にグランプリ、審査員特別賞、令和賞と3つの賞を決めましたので、なんとか3名の先生方には出ていただければ、と思っていたくらいです。お弟子さんや生徒さんにチラシをお渡したり、友人が知り合いの書道家さんを口説いてくれたり、と本当に有難かったです。


郁子:口コミですね!すごい。私は当日の様子は映像で拝見させていただきました。映像でも出場者の皆さんの緊張が伝わりドキドキしてしまいました。


華子:ご存知の通り私はスパルタ書道家なのでね、「当日何を書くのか」を事前にお伝えしていませんでした。これは、プロの書道家として活動するために必要なことだと考えているからです。

当日は3人ずつ3組に分かれて、出場者全員がフェアになるように、と他の組が書いている様子は一切見えないような配慮をしました。まず自己紹介、お手本書き、宛名書き、最後は作品創作でご自身の好きな表現をする、という課題3つをその場で書き上げていただきました。


郁子:緊張感たまらないですね!


華子:「緊張感の中でも求められたことをやり切る力」、上手い下手という技術面ではなくて、この思考に到達していないとプロとしての仕事にならない、ということを知ってもらいたかったのです。

テレビ局での仕事では、事前打合せと変わり「やっぱりコチラを書いてください」は、当たり前に起こりますから。「聞いてなかったからできませんー」というのは全く通用しませんよね。


郁子:どんな環境でもやり切る力、必要ですね。


華子:会場にいらしたオーディエンスの皆さんも、出場者の緊張が伝わり固唾を飲んで見守ってくださいました。実際に距離も近くて、見てる方の真剣さも伝わり、会場全体が緊張感につつまれていたと思います。

ただ、見られると緊張して書けない…ではなく、見られても、どうですか!くらいの気持ちであってほしいです。だって、もしお寿司屋さんで、見られると目の前で握れないから、ちょっと裏でマグロ握ってきます。というのはねぇ。。


郁子:ありえませんね!


華子:実際に見られて書くことに慣れてる方ばかりではありませんので、「プロとはこういうものだ」というプロとしての洗礼を思いっきり浴びていただきました。たとえ1円でも対価としてお金をいただく仕事ならば、ここで怖じ気づくようでしたら、プロとしてお金はいただけませんよ。ということなのです。

第1回グランプリ小野先生はじめ出場してくださった先生方には、厳しいオーディションだということを分かりながらも、手を挙げてくださったことに感謝しています。


郁子:スカウトキャラバンに出場すること、その場を経験することだけでもその後の書道人生が全く違うものになると思います。


華子:そうなんです!そう思っていただきたいです。


スポンサーについて

郁子:私がとても感心したのは、スポンサーさんに書道関係のお名前がないところです。つい同じ業界内からスポンサーさんを探しがちですよね。どの様にしてスポンサーさんを見つけられたのでしょうか。

                           

華子:おっしゃる様に書道関係のところへはお願いしていないです。書道用品店やメーカーさんにスポンサーをお願いしたら、もしかしたら商品提供もしていただけたかもしれません。けれども、書道業界以外の方々に注目していただきたい気持ちなのです。

第1回のスポンサーになってくださった社長さんも、書道家が作品を創作する場面は初めて目にする光景でとても驚かれていらっしゃいました。普段は知り得ない書道家の姿を知ってもらえて、何か感じていただけたら嬉しいです。そうでないと書道界が広がっていかないと思います。深めることは多くの方がしていらっしゃる、まず広めていく事が必要で、それから深めていきたいです。


郁子:広めてから、深める。


華子:この様な思いをまずお弟子さん、生徒さんに、そして側にいる方々に伝えていった結果、スポンサーになってくださる方もいらっしゃいました。企業に応援していただかないと、筆文字揮毫やお仕事が広がらないのが事実です。実際に第1回出場者さんとスポンサーさんとの間では、お仕事のご縁も生まれました。


どんな方に出場してほしいか

郁子:スカウトキャラバンにはどういった方に出場してほしいでしょうか。


華子:スカウトキャラバンのことを知りました、「出てみたい気持ちはあるけど、、自分からは立候補する自信もないし、そういうキャラでもない。私なんておこがましいわ、でもやりたいかも、、」と迷っている方にこそ出て欲しいのです。ちょっと背中を押されたらできる方。


郁子:ちょっと背中を押したらできる方。なるほど!自分から「はい!」とできる人はなかなかいらっしゃいませんよね。手を堂々と挙げられる方は、すぐに活動していける方だと思います。


華子:今は、そんなみなさんの背中を押しまくっています。


郁子:出場の決断はとても勇気がいることだと思います。知らない方が大勢見ている前で作品を書くことは、経験したことがなければ、筆を持つ手が震えても仕方がないことですものね。華子先生に背中を押されたら、素直になって自信をもって出場してほしいです!


華子:歌手の方がとこでも歌えないと困るのと一緒で、そういった振る舞いができる人になってもらいたいな。と思ってます。


スカウトキャラバンの未来

郁子:スカウトキャラバンの今後に展望ついて教えてください。


華子:初回に宣言させていただいたのですが12回は続けたいです。はな*みちスタッフは全員野球好き、贔屓の球団ばバラバラなのですが…(笑)12球団!そして干支は12年で一巡ということもあり、プロ野球球団のホーム球場がある地域を訪ねて12回できたら、という考えです。

東京はやはり大きなチャンスに恵まれています。出版のチャンスを見てもそうですよね。しかし、東京でなくても、その地域にしかない良さもあります。私たちが全国に行かせていただくことで、出会ったことがない方に出会えたら嬉しいです。

東京近郊にいらっしゃらない方ほど、色々なことに手を挙げにくくなっていると思います。そういった意味でも、スカウトキャラバンと一緒に全国をまわることで書道界がより活性化され、洗練されていく、お互いに潰し合いをしない、仕事も適材適所でマッチングしていきたいです。

なんかわからないけど「書道って楽しそうなんだよね」という空気を12年かけて作り上げたいと思ってます。


郁子:私は東京を離れて青森に住んでいた時があり、その時に東京は本当に色々なチャンスがあるのだと実感しました。東京に住んでる時にはわかりませんでしたね。。出場者の特徴も地域によって変わってくるのでしょうか、とても楽しみですね!


華子:はい。関西に大阪社中ができてから、大阪に通う機会が増え、大阪の素晴らしさにも気づけました。それぞれの地域性やそこでお目にかかってでしか救えない想いもあるはずです。全国をまわることで上手、下手の前に「手書きっていいよね」と思ってもらえたら嬉しいです。


郁子:スカウトキャラバンのチラシにある「ますます書道家が輝く未来、そして、日本中が美しい字、自分らしい字を書く人であふれる様な未来を一緒に創ってくださる方をお待ちしております!」この言葉に華子先生の想いが集約されていますね。


華子:書道を習ってる方でなくてもいいんです。企業スポンサー、個人スポンサー、オーディエンスとして参加して盛り上げていただけたらと思っています。

はな*みちプロダクションについて

郁子:賞を取られた方は、「はな*みちプロダクション」に所属することになるのでしょうか?


華子:はい。所属をしていただくことになります。専属契約ではなく、個人で自由に活動していただきながら、こちらがお伝えした中で良いと思った仕事を引き受けていただくスタイルです。優先的に仕事をできる権利はあるということになります。


郁子:個を生かしながら、チームとしても成り立つ。そんなプロダクションですね!


華子:プロダクションというと、仕事を取ってきたら本人の意思とは関係なく、やらなくてはいけないのが一般的です。私たち書道家は自分自身が資産なので、どんなに高額なギャラを積まれても嫌な仕事は嫌。と断りたいのです。本人が全力でイヤというのに仕事を押し付けることはありません。それはお約束します。

私も現役で筆を持っていますので、お金だけで嫌な仕事を持って来ても捗らないこと、よく理解できます。それをプロではない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、やはりその様な仕事の動かし方はしたくないのです。


郁子:理念をこうして示してくださることで、安心してはな*みちプロダクションに所属できると思います。


華子:この仕事はこの先生が適任という場合は直接お願いしますし、全体の力量をあげたいな、という時にはコンペ形式を取ることもあります。書道の仕事が初めての方でも絶対できるようになっていきます。


郁子:育て上げるという感じなのですね。


華子:師範資格を取った後に、さあ!お教室を開きましょう。と言われてきましたが、、マーケティングも営業も学んだことがなく、書道師範になったからといって、いきなり生徒さんや仕事が来るわけではないと思います。SNSで間違った発信をしてしまったり、、。そういった事が無く、しかるべき道を歩んでいけるように、みんなで協力していきましょう。「あなたの道を応援するよ」というのが、はな*みちプロダクションなのです。


郁子:本当に素晴らしいー!!


華子:これは本当に理想ですが、スタンスは変わらないです。あとはどれだけお仕事がいただけるか、ギャラがいただけるか、これは社長としての私の努力にかかっていますね。


郁子:書道家専門「はな*みちプロダクション」これからもっと注目してもらいたいですね!


華子:プロ意識ということの心構えとかメンタルとか、このスカウトキャラバンを通り過ぎて行く事で、書道家としてブレていかないと思っています。


郁子:確かに。「プロとはどういうことか?」を自分と向き合いながら考える時間がこのスカウトキャラバンだと思います。華子先生にお会いして、考え方に触れるだけでも貴重な機会だと思います。


華子:参加を迷っていらっしゃる方には、私より年上の方、色々な立場の先生方もおられ、華子先生の弟子でも無いのに参加しても良いのでしょうか。とおっしゃる先生もおられます。あまり謙虚になりすぎず、会派も関係なく、お待ちしております。


郁子:普段から新しい情報にアンテナをたてておられる方には、スカウトキャラバンのことも伝わっていくかと思いますが、書道団体や会に所属しておられる先生方にも参加していただくには、どうしたら良いと思いますか。


華子:団体や会を抜けて、とか師匠に反対されてまで出場してください、とは考えていません。スカウトキャラバンにはオーデイエンスという参加の方法があるので、まず見に来てください、とお伝えしたいです。そこから始まると思っています。

 

スカウトキャラバンを主催される 書道のはな*みち 高宮華子先生

 

追記 2021年9月神戸にて開催

第3回書道のはな*みち

スカウトキャラバン 詳細は こちらのページをご覧ください。








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