top of page
  • 執筆者の写真woman syodo

高宮 暉峰先生(3)

更新日:2020年5月21日


 

高宮暉峰(たかみや きほう)先生

本名:高宮 華子

書道のはな*みち主宰

読売書法会 会友

日本書道教育連盟 師範

1975年生まれ。6歳より書道を始める。

24歳で読売書法展初入選を果たしその後、入選・入賞は多数。

「キレイな字が書けると人生はもっと美しくなる」をモットーに、都内数ヶ所に書道サロンをオープン。

六本木ヒルズ内アーテリジェントスクールや、 DHC・コープとうきょう・丸の内朝大学講師等の外部レッスン、

TV・雑誌等メディアで、幅広く活動中。短時間でキレイな字を引き出すためのスパルタ指導を得意としている。

 
開業コースについての想い

遠藤郁子(以下郁子):「書道家のための独立開業コース」ができたきっかけを教えてください。(5年以上前に始められた「書道家のための独立開業コース」は2020年で一旦終了)


高宮華子(以下華子):やはり私自身が困っていたからですね。開業届けを出して、個人事業主となり、青色申告を出しに行く、までは少し調べれば正直簡単。結局は生徒さんが来てくれる書道教室をするにはどうしたらいいのか?ということが知りたかったのです。今でこそおうち起業の本とかいっぱい出ていますが、あの頃は全く出ていなくて。

師匠の起業ストーリーも聞かせていただいて、それはとても勉強になりました。師匠は何でも答えてくださったんですけど、集客方法に関しては看板出さずに集客できてしまった師匠なので。


郁子:それは特別な例ですものね。


華子:ですので色々と考えて、起業系の本、特にマーケティングとマネージメントの本をたくさん読みました。

郁子:起業セミナーは数あれど、「書道家のための」というところは誰もやっていなかったこと。本当に素晴らしいです。

華子:中国書道がご専門の郁子先生もそうだと思うんですけど、やはり「脱マイナー」なので。書道は全然マイナーではないのだけれど、マイナーと思われてること自体が問題じゃない? (「書道はマイナー」については(1)をご覧ください)


郁子:おっしゃるとおり!


華子:私は「書道が好き」ではないところからの始まりですけれど、好きになってから色々と気づかされちゃった、みたいなところがありますね。


経営者と書道

郁子:華子先生はお弟子さんのお稽古以外にも魅力的なコースがたくさんありますね。私は普段は書道を習っていない方に、書道を通して創造力を発揮できる講座ができたらいいなと考えています。特に経営者の方々にこそ、書道の素晴らしさを伝えていきたいですね。


華子:経営者の方々はやはり感性が磨かれないといけないですよね、今は明日のことも分からないですから。経営戦略、売上げ目標を立てる上で数字はとても大事です。ただ、この数字は過去の業績なので、ここから先の「起こりえないこと」が起こった時に、数字だけでは計り知れなくて、その時にAかBかを選べる感性がないと経営者として困ると思うのです。開業コースとは別に広めていけたらなと、私も考えています。



「一家に一人、美文字の人を」

郁子:「一家に一人美文字の人を」この理念についても教えてください。


華子:一家に一人美文字の人がいることで、家族みんなの文字のレベルが上がるから、日本の文化もよくなるし、書道ももっと見直されて、海外に向けても強く発信できると考えています。東京都だけでも650万世帯だったかな(平成25年国勢調査では650万世帯)、この人数にはまだまだですが、自分自身の発信力を強くすることと同時に理念が同じ書道家さんたちと一緒に書道業界を熱くするっていうことを、したいですよね!

郁子:華子先生はご自分のことだけではなく、他の書道家さんのこと、書道業界の未来について考えているところが、本当にスゴイです。


華子:未来を考えるといえば、うちの師匠は10年程前から「私が死んだら・・」とずっとおっしゃっていて。。「お弟子さんのいない師範には腕利きのこの先生、一生私で終わりたいという人は辞めてもらっても構わない、華子ちゃんとあと誰々さんはお弟子さんがいるから、ゆくゆくは京都の先生に」と京都の先生のお稽古をつけていただけるように今からしっかり手順を踏んで「この子達はそれぞれ弟子がおりますので、私が死んだ後ちょっと一人で、という訳にはいかないので、後はよろしくお願いします」と。


郁子:本当に師匠の鏡ですね。弟子をとることはそこまで考えて向き合わないといけないのですよね。


華子:子供(=弟子)がいるので責任がありますからね。


「書道家を志す人へ」はじめの一歩

郁子:最後に、読んでくださっている書道家を志す人へのはじめの一歩。「今できる一歩」を教えてください。


華子:「行動してしまうこと」。上の先生がいるからとか、自分のキャリアとか、考えてしまうと何もできなくなってしまうと思います。キャリアがないのは最初はみんな同じなので仕方がないですよね。例えば、外国の方に接待しなくてはいけない場面で「英語を喋れる人誰かいない?」となった時、やっぱりみんな「完璧に喋れないからダメです」と手を挙げないけれど、それよりも完璧ではないけれど「はい!」って手を挙げて、なんとか気持ちが通じて接待できる人の方が世に出て行くし、役に立っていますよね。全く技術がないのに「ある」というのはいけませんが、「私はこのぐらいできるから、やる気はあります!『はい!!』」と手を挙げたことで道は開けるはずですから。

まずは、自分の大事な人を「書道を通じて貢献する」「助けてあげられることはないのか」と考えてもらえたら、多分あーだ、こーだ、言わずに行動できると思います。


郁子:あーだ、こーだ、言わない!


華子:目の前で大事な人が倒れてたら助けに行くじゃないですか。その人が男の人であろうと、お相撲さんぐらい大きくて自分の方が細腕で絶対無理っ、と思っても、大事な人だったら体が反射神経で行っちゃう。そういう気持ちを大事にしてほしいな、と思います。今はね、色々な情報があちこちに落ちてるから、みんな散々調べた挙句それでも行動しない人もいっぱいいるので、「瞬発力」を大事にしてほしいと思います。

郁子:考えすぎずに、今できることをする。

華子:そう、その時のベストを尽くせばいいと思う。「私はこのレベルなんで…」という考え方は内向き、「誰かのために」という外向きに意識を持ってもらいたいな。

郁子:本当に良いお話し伺いました。最後に「いざやるぞ!」という時の熱量の出し方、スイッチの入れ方を教えてください。


華子:タイプがありますよね。

郁子:カチっとスイッチを入れるのか、じんわりとスイッチが入るのか?ですね。華子先生はどちらですか。

華子:私はガッと加速が入っちゃうタイプです。大抵は誰かの言葉に火がついて動く傾向にあって、多分私一人だったらしていなくても、求められて「私で役に立つことがあるかもしれない」と思った時にエンジンがかかります。

自分のスイッチは探っておいた方がいいですよね。スイッチが分からない人は色々な人に会って話を聞いた方がいいと思います。

郁子:人との刺激。大切ですね。華子先生の起業のきっかけもそうですものね。


華子:「書道はマイナー」と言われなかったら起業はしていないです、絶対に。「人でスイッチが入るのか」または「一人で静かにやってる時にスイッチが入るのか」も知っておくといいかもしれませんね。


郁子:「人に何ができるのか」を常に考えていらっしゃるからこそ、人の言葉に敏感になったり、人のために、が華子先生の原動力になってきたってということがよーくわかりました。


華子:色々なタイプの方がいて当たり前です。「書いていることが幸せ」「お弟子さんのお手本を書く、その時間が幸せ」「自分一人の時間が持てることが幸せ」という方もいますね。


郁子:そうですね。

華子:私は「人との刺激でエネルギーが出る」タイプだから、ずっと書いてばかりいると何も発想が出てこないかな。


郁子:手を動かす。


華子:そう!「手を動かすこと、体を動かすこと」が大切だと思います。育児の真っ最中でね、なかなか外に出られない、夜も出られないれない。そういう時期は人生で絶対あるし、介護してる方もいる。でも「何かを伝えること」もアクションだから、人に会うことだけが「体を動かすこと」ではないですからね。

郁子:それこそブログなどで「発信すること」もそうですよね、会社にお勤めしながら起業準備されてる方も、顔を隠しながらでも手を動かし、体を動かして、とにかくスタートして将来に備えて行くことが必要ですね。華子先生のおっしゃる「行動してしまうこと」がはじめの一歩ですね!

華子:それが本当に大事です。 郁子:華子先生、本日はありがとうございました。


(撮影協力 Misako Bando)

 

5年以上続けてこられた「書道家のための独立開業コース」は2020年でいったん一区切り、終了となっています。現在は日本初!書道家専門プロダクション「はなみちプロダクション」事業、「書道家のスカウトキャラバン」などの新しい展開も。対談以降の新たなお仕事については【特別編】としてご紹介しますので、楽しみにお待ちください!

 




閲覧数:50回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page