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  • 執筆者の写真woman syodo

木村 怜由先生(2)


 

木村怜由(きむら りょうゆ)先生

本名:鈴木陽子

書とことば 表装とPHOTO CALLIGRAPHY

わたしを表現して生きてゆく


書を通し ことばを表現 作品は自ら表装も手掛ける。日本各地・ニューヨーク・ミラノなどで個展開催。

日本経済新聞・読売新聞・毎日新聞・週刊新潮など個人記事掲載 。

NHK大河ドラマ・ドラマ10・現在放送中の連続テレビ小説『エール』の書道指導などメディアワークも多数。現在も師の下で修業 毎日書道展・ほか公募展にて入賞・入選多数。


怜由のテナライ 銀座サロン 主宰

毎日書道会詩文書部 会友

創玄書道会 審査会員

 

ワークショップと個展

郁子:以前お話を伺った、沖縄宮古島の中学校での「島のこどもと書と遊ぶ」ワークショップ(2004年)について教えてください。 怜由:これは全て自分で提案したボランティア企画です。私は海なし県群馬の出身で海にとても憧れていて、ダイビングに一人でも行ったりしていました。

宮古島に行った時に海のあまりの美しさにびっくりして、作品を残したくなって。その感謝を伝えるために島の子供たちに書で交流できないかと思いました。とは言え、何のつながりもなく困難なことと思案していたのですが、ダイビングショップの方が知り合いの校長先生に話を通してくださって、導かれるようにトントンと話は進み、宮古島の中学校で念願のワークショップを実現することができました!

想像以上に感謝していただけたことがとても嬉しかったです。子供たちに「素晴らしい自然に囲まれて幸せだね」と伝えたくて。

郁子:感謝を伝えようと思って始めたことですよね。素敵な活動です。


怜由:新聞にも取り上げてもらって。宮古島の後、屋久島の自然にも感動して、思い切って役所に想いを込めた企画書をFAXしてみたのです。それを見てくださった方がなんと教育委員会の方で、理解してくださり屋久島にある全学校に告知、授業の一環として扱ってくださいました。

郁子:FAXを送っていなかったら、始まっていなかった。


怜由:そうですね。思いついたらすぐに行動!

郁子:パッションすごい!宮古島や屋久島の自然に感動したからですよね。

怜由:ダイビングをしていたから、余計に宮古島の海の美しさを感じられました。

郁子:毎年宮古島にはいらしてたのですか?

怜由:年に3、4回は行ってました。個展もさせていただきました。


郁子:宮古島で個展、想像するだけで素敵です。

私の中で陽子さんといえば「個展」。個展についてのことも聞かせてください。国内だけでなく、海外でも個展をされていますよね。


怜由:はい、ニューヨークに行った時にここでしたい!って思ったのがきっかけです。


郁子:素敵!海外での作品の反応はどうですか?


怜由:とても良かったです。

ニューヨークで二回、ブルックリンと念願のチェルシーでも個展を開催できました!

世界の中心マンハッタンでもやりたい!って思ってしまって。海の向こうに行くと、評価のされ方が全然違う。日本にいる自分が小さく感じました。

何をそんなに私はこだわっていたのか…と。


郁子:それは何歳くらいの時のことですか?


怜由:2006年なので、30代前半の時。20代でもやりきった!と思えたけれど、30代でもできることはやろうと思ったの。38歳で出産してからはペースは落ちましたけれどね。


2017年は本当に久しぶりの個展でした。もう楽しくて、楽しすぎました(笑)

それくらいエネルギーは有り余っているから、全く疲れなかったです。作品もほぼ嫁ぐことができたのは、自然なことだったと思います。私を表現するってこういうことなんだって、今朝思いました。神の采配ですかね。。。


郁子:神の采配といえば、個展での「風の采配」の作品はとても評判よかったのではないですか。


怜由:はい。面白いのが「風の采配」と書いても「神の采配」と読む方が多くいらして(笑)



郁子:陽子さんの作品は、「ことば」を書かれますよね。見る方も自分に照らしながらも作品に陽子さんを見る、という感じだと思います。個展の作品はどの様に書かれるのでしょうか?


怜由:基本、私が見て、感じて、書きたい、と思ったこと以外は書かないです。

ふってくる感覚。

お稽古の課題以外、個展でも公募展でも、書きたいと思うものを書いています。それではいけないことも分かっていますが、嫌々な思いから作品を書くと、見る方にも伝わりますから。だから自分の言葉を書きます。

郁子:心が動いて書いたものが、人の心を動かす。ということですね。


怜由:そうですね!なので個展の作品でお腹いっぱいになって、幼い息子の何気ない作品が一番よかった。となる方もいます。

郁子:その感覚少しわかるかもしれません。以前ルーブル美術館に行った時に、なんだか酔ったみたいになってしまって。。絵画の持つあまりのすごさに。陽子さんの個展では、書と言葉のシャワーを浴びるようなものですから、自分にドンピシャに来る言葉と作品がもしそこにあったなら、しばらく動けないかもしれません。陽子さんの作品には、力強いパワーがありますから。


怜由:ことばを書くとはそういうことなのかもしれませんね。時にことばは人を救います。


表現者でいたい

郁子:「表現者でいたい」と思ったのはいつ頃からでしょうか?


怜由:そう思ったのはつい最近です。

子供を産んでから、「自分」というものがよくわからなくなった時期がありました。「ママ」が表現ツールにならない、と感じていたのですが、最近になって「私は自分を表現したかったんだ」と気づいたのです。それしかできない、書道家といっても「結局あなた自身でしょ」というのにたどり着いたのです。


郁子:表現者である陽子さんは、書と写真の融合『PHOTO CALLIGRAPHY』も独自に展開しておられますが、写真との出会いについても教えてください。

怜由:20代の頃からカメラが好きで、何十台も持っています。写真というよりカメラが好きなんです。

子供を産んでからはやっぱり写真もたくさん撮るようになり、アルバム作りのイベントがきっかけで、写真は楽しいんだ!と気づきました。カメラは師匠がいないので、どの先生の講座に行ってもいい。書道の世界ではないことですよね。



怜由:写真は自分を表現するツールの一つ。なので写真家とはあまり言わないかなぁ。

皆さんは書家と言ってくださるけれど、未だに私は書家という肩書に抵抗があります。師匠が素晴らし過ぎるから、私が書家と名乗れる?って思ってしまいます。


郁子:書家と言われることは師匠のためでもありませんか?「師の喜びは、弟子が自分を超えること」とも言われたりしますが。

怜由:無理無理(笑)。師は超えられないよね。

郁子:誰でも文字は書けて、書いて発表したらプチ書道家を名乗れる時代。私が郁子のお部屋でお話を伺いたいみなさんは、古典臨書の稽古に真摯に学んできた経験のある方。古典臨書にキリはありませんからね。。


怜由:ある時から臨書することもおざなりになってしまいがちかもですが、それではね、、古典に学ぶことばかりです。


郁子:書家として仕事をするなら、どの書体でも他の人より書ける範囲を広くしておく必要もありますしね。陽子さんのところに書を習いにくる方はどんな方が多いのですか?


怜由:女性の生徒さんばかりです。お子さんやお孫さんがいる方や、会社で活躍されている方。最近すごく思うのは、生徒さんは私を慕ってきてくださる。ここはしっかり認識してやっていかなくてはいけないのだと、改めて思っています。(つづく)

怜由先生の2020年最新個展をYouTubeで!

2020年3月京王プラザホテル東京・個展

宙の花-SORA no HANA-



 

何を大切にして どんな力を磨いていけばいいのか 書道を仕事にしたい方へ 怜由先生からの力強い メッセージもいただきました

次回の更新を

お楽しみに!

 

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